花和楽の湯編 Part-1

私の会社は「その場所だけのオンリーワンの施設づくり」をモットーとしているので、企画段階はもちろんその後の設計施工段階においても様々な苦労があります。この「設計うらばなし」では普段はあまり表には出ていないそんな様々なエピソードについて書いていきたいと思います。

まずは弊社代表作「おがわ温泉花和楽の湯」です。これはいまさら言うまでもありませんが埼玉県小川町にある日帰り温泉で、いまから約5年ほど前に完成した日帰り温泉です。当時はまだ規模的にも完成形ではありませんでしたが、その後増築をし現在では施主様がやりたかったことやお客様に対し必要な機能はほとんど出来上がったと言っても過言ではないでしょう。

当初スーパー銭湯業態では成り立たないと言われたこの地において計画を進めるにあたって、設計に出された課題のひとつは事業収支に合わせた「施設内最大瞬間収容人員」の確保でした。しかし実際に建築可能な施設面積ではそれは大変難しい課題でした。そこで考えたことの一つは、施設内だけではなく施設の外へもお客様を誘導する事でした。

■具体的には
露天風呂の魅力アップや中庭を設けるなどして、天気の良い日は少しでも屋外に出て「外気浴をも楽しんでもらう」ということです。中庭を中心に回遊廊下を設置し、そこから脱衣室や飲食ゾーンへ足を運んでもらい、ときには中庭デッキで外気浴を楽しんでもらう。また、露天風呂ゾーンは裏山を借景とし更に限りなくお湯面積を大きくとり、すこしでも内湯より露天風呂に足を運んでもらえるよう工夫しました。これらの思惑は開業後5年たった今振り返ってみると、設計の思い通りになっているのではと思います。

この露天風呂ですが、見た目の水面積が広くとってあるので本来ならそれなりの湯量を必要とするのですが、水量を抑えるため浴槽の深さで工夫をしました。行かれた方はお分かりと思いますが、一つの浴槽の中にそれぞれ60センチの全身浴、40センチの半身浴、わずか3センチの寝ころびゾーンと、浴槽の深さに変化をつけることで様々なお風呂を楽しんでもらえるようになっています。これらを図面ではなく私自身がラフ平断面を書き、それをそのまま職人さんたちに作ってもらいました。ラフとはいえもちろん詳細な深さ、形状、湯量を意図的にかつ綿密に計算して作成しました。
中でも「寝ころびゾーン」は苦肉の策で考えたものなんですが、結果的には非常に人気の高いゾーンだと聞いています。

  ↑ こ〜んな感じ

これ以外にも様々な工夫がありますがそれはまた次回に・・・


日帰り温泉スーパー銭湯・都市型サウナ・健康ランド等、各種温浴施設の新規企画・設計・監理から既存施設のリノベーションまで・・・温浴施設専門の設計会社

有限会社アクア・プランニング
〒251-0047 神奈川県藤沢市辻堂2−2−6 辻堂秀英ビル6F
TEL:0466-35-7654 FAX:0466-35-7653
URL:http://www.aqua-planning.jp