期待した台風も日本列島をかすめて行ってしまって、適当なサイズの「うねり」は合ったものの、地形と合わなく余り良い波に乗れなかったこのごろでした。(こんなことを言うと、台風の被害にあった方には大変失礼かもしれませんがお許しください)


さてここ数日、岩盤浴に関する例の週刊誌記事のおかげで、会う人会う人岩盤浴の衛生管理について」の話ばかりが話題になります。
あのような記事が出て「レジオネラ」のときのように「どの施設も実は不潔だったんだ」なんて事にならなければいいのですが・・・・


わが社のホームページ内にも少し書きましたが、そもそも現在の岩盤浴とは秋田の玉川温泉「岩盤で寝転がって病気を治す」行為から始まって、一時期「ヒーリングサウナ」と呼ばれていた時代を経て、その後岩盤浴という言い方が一般的になり、今日に至った業態です。
もちろんその間にその利用形態も様々進化して、現在のブームとなったわけですが。


以前「ヒーリングサウナ」と呼ばれていた時代は、基本的に一つ一つのベッドを塩素消毒が出来るよう「排水口」を設け、定期的に清掃ができるよう設計されていました。
我々温浴設計の専門家からみれば、先の週刊誌の指摘にあるような事は当然予想しておりましたので、このような設計は当たり前の機能でした。
(言い忘れましたが、私は岩盤浴温浴施設」だと考えています)


ではなぜ、あんな検査結果が出たのか?
それは、以前このブログでも書きましたが恐らく急激なブームにより、それに便乗した一部の(そもそも温浴設計には詳しくない)業者が見よう見真似で作って来たことも要因のひとつではないでしょうか。
大切なのは


●塩素消毒が出来るなど、ちゃんとした衛生管理の出来る設計になっているか。
●汗を吸収しにくい素材を選んでいるか。
●温まった室温を逃がさず、空気だけ入れ替えるような機能、かつ十分な換気計画がなされているか。


そしてもうひとつは
温浴施設特有の細菌(レジオネラなど)などに対する運営者サイドの知識があるか。
実際に運営が始まってからも、お風呂の浴槽と同じで定期的な清掃を怠っては意味がありません。
これには、ちゃんと説明しなかった設計者にも責任はあります。


岩盤浴は、一見ただ石を暖めてその上に寝転がっているだけのように見えますが、実は部屋自体の「温度や湿度の調整」「照明計画」「換気計画」「防音や保温計画」そして肝心な「衛生管理面」でも、様々なノウハウが凝縮されています。
表面的な意匠や、希少価値だけを追求した素材にだけこだわって、肝心なことを忘れた岩盤浴は残念ながら本当の意味の岩盤浴とは言え無いのではないでしょうか?


仮に、先に述べたようなハードが備わっていない施設でも、その清掃の方法はあるかと思います。
定期的な清掃を心がけ、衛生的で安全な岩盤浴が一軒でも増える事を祈っています。
(清掃方法はいくつかありますが、ひとつは「オゾン」の使用です。これについてはまた次の機会に・・・)




岩盤浴・ストーンスパ・日帰り温泉スーパー銭湯健康ランド等、各種温浴施設の企画・設計専門会社
(有)アクア・プランニング 代表取締役 中村敏之


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